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東京カテドラル聖マリア大聖堂の建築とパイプオルガンがすごい!見学してきた~

BS日テレ「ぶらぶら美術・博物館」(ぶら美)で放送されて以来、見学してみたいと気になっていた東京カテドラル聖マリア大聖堂。

たまたま別の用事で近くを訪れた時、このカテドラル教会が近隣にあることに気づき、急きょ訪れました。

西洋絵画に触れていると避けては通れないのキリスト教。ミュージカルもキリスト教の知識があった方が楽しめるものが多い♰

ローマ・カトリック教会のノートルダム大聖堂を舞台にした「ノートルダムの鐘」もそうだし、最近観劇した「天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~」もカトリック系の修道院が舞台の話です。

じゃあ、キリスト教の勉強しているの?というとそうではないのだけど←👩‍🦲

ただミュージカルや絵画のおかげで、以前よりも宗教や建築に興味が出てきたのは確かです。

あと、宗教関わらず「祈り」には関心があったりします。

何が言いたいのかというと、「素敵な教会です」と紹介されていたりすると、ホイホイ行っちゃうくらいには、興味が深まっています。

さて、私が東京カテドラル聖マリア大聖堂へ行きたいと思っていた理由は次の3つです。

  1. 建築
  2. 巨大なパイプオルガン
  3. 聖遺物など

世界中から人がやってくる名建築なんですね~。

誰でも見学OKなので、気が向いた時に行けるのが有難い!

目次

①【建築】東京カテドラル聖マリア大聖堂の設計は『世界のタンゲ』丹下健三

一見しただけでは教会とは思えない東京カテドラル聖マリア大聖堂。

今の形で建てられたのは東京オリンピックの1964年でした。

空からみると十字架になっている斬新でスタイリッシュな形は、今から50年以上に建てられた教会とは思えません。

建築を手掛けたのが、丹下健三(たんげ けんぞう)氏(1913-2005)

第二次大戦復興後から高度成長期にかけて、多くの国家プロジェクトを手掛けてきた人物。日本人建築家として最も早く日本国内にとどまらず国外でも活躍した建築家です。

自分が知っている建築物だと、新宿にある都庁、国立代々木競技場、広島平和記念公園などが作品にありました。

丹下健三氏の主な作品

広島平和会館原爆記念陳列館/現・広島平和記念資料館本館(重要文化財)
広島平和記念公園(国の名勝)
日南市文化センター
東京カテドラル聖マリア大聖堂
国立代々木競技場
戦没学徒記念館
ミネアポリス・アート・コンプレックス(アメリカ)
サウジアラビア王国国王宮殿(サウジアラビア)
新宿パークタワー
横浜美術館
東京都庁舎(新旧とも)
グラン・テクラン(パリ)

などなど。これはほんの一部です。

東京カテドラル聖マリア大聖堂建設のコンペで優勝

教会の現在の姿は1964年に建築された当時のものですが、もともと教会は1899年(明治32年)聖母仏語学校「まいかい塾」の付属聖堂として建てられ、1900(明治33年)年に関口小教区の聖堂となり、関口カトリック教会として認可を受けました。1920年(大正)年に東京大司教座聖堂となっています。

しかし1945年(昭和20)年の東京大空襲で焼失。

その後、ドイツのケルン教区の支援により再建設が決定し、その際、建築コンペが行われました。

指名コンペを受けた3名の建築家


建築家 代表作品
前川國男 国立国会図書館、東京都美術館、東京文化会館、木村産業研究所、弘前市民会館、東京海上日動ビルディング本館
谷口吉郎 迎賓館赤坂離宮「遊心亭」、ホテルオークラ、東宮御所、千鳥ケ淵戦没者墓苑、帝国劇場(ロビー・客席)、出光美術館
丹下健三【優勝!】 国立代々木競技場、国立代々木競技場、広島平和記念公園

すごい方々が指名されたんですね😱

お3人とも建築界のスーパースターと呼ばれる存在です。

前川國男氏と丹下健三氏は師匠と弟子の間柄。東京カテドラル聖マリア大聖堂の建設は、弟子の丹下健三氏が師匠の前川國男氏に勝ったんですね。

良く訪れる帝国劇場のロビーと客席を谷口吉郎氏が設計していたとは…

ちなみに、

谷口吉郎氏の息子、谷口吉生氏はニューヨーク近代美術館、GINZA SIXなどを、そして丹下健三氏の息子、丹下憲孝氏はモード学園コクーンタワー、お台場のFCGビル(フジテレビ本社)を設計しています。

すごい人の血は受け継がれるんですねぇ…

大聖堂の納骨堂で眠る丹下健三氏

東京カテドラル聖マリア大聖堂を建築した丹下健三氏は、自分にもしものことがあったらカテドラルの納骨堂に葬ってほしいと伝え、亡くなる2年前に洗礼を受けて今も地下の納骨堂に眠っていらっしゃるそうです。洗礼名は、イエスの父の大工ヨゼフにちなんで、ヨゼフにしたとのこと。

丹下健三氏は自分の過去の作品には興味がなかったため、回顧展のような類のものを一度も開かなかったそう。ニューヨーク近代美術館(MoMA)からの要請すら断り、常に創造性を失わずに仕事に取り込まれていたそうです。

モダンで柔らかな建物

突如カテドラル教会へ行くことにしたので、時間が遅く良い写真をとれていないのが残念。

外はモダンミュージアムじゃないか?と思えるような創り。鐘塔の存在で、教会であることがかろうじてわかります。

鐘は4つ。ドイツから輸入されたもので、製作者は日本各地の鐘の音色を研究し、その音色を出すように苦心したそうです。

鐘が鳴るところ聞いてみたい!

モダンミュージアムのような見た目でシャープにみえる形なんだけど、人を寄せ付けない冷たさはなく、むしろ暖かみを覚えます。

これはもしかしたら、HPシェルという双曲放物線面をもつ殻構造を採用しているからかもしれません。

存在感のある壁面ながら滑らかな曲線を描いているので、映像や写真でみるよりも、ずっと柔らかい印象を受けます。

アットホームというのとは違うかもしれないけれど、誰でも受け入れる優しさを外観からも感じとれます。(実際、誰でも訪問OK)

教会の中に入ると、コンクリートが打ちっぱなしされた空間が広がります。

[alert title=”注意”]建物内は撮影していません。撮影不可とは書かれていなかったのですが、お祈りしている人もいたので見合わせました。

自宅に帰って調べたら、やはり建物内は原則撮影不可でした。[/alert]

教会内は柱がないので空間の広がりがすごいです。

一般的に教会には、太い柱が沢山並んでいることが多い気がします。

教会コンサートだと、柱が邪魔で演奏者が見えないこともw

この柱がないのも、HPシェル構造によって実現が可能みたい。

HPシェル構造で作られた他の教会
アメリカサンフランシスコのセント・メアリー教会
メキシコのヌエストラ・セニョーラ・デ・ソレダ礼拝堂

正面の祭壇と十字架、そして背後にはステンドグラスとおぼしきものがありましたが、これは大理石。大理石を薄く切ったものだそうです。

写真の右側↓ 教会にあったチラシより

朝~昼間はこの大理石を通して柔らかい光が十字架に差し込むそうで、今度午前中に来てみたい。

この日は曇り空の上夕方だったので、残念ながら光はありませんでした。

写真の左側は、空から見ると大きな十字架になっている天井部分です。

教会内では身体の細胞が癒されるような音色に包まれます。パイプオルガンです。

②【パイプオルガン】教会用オルガンとしては日本最大

いつでもパイプオルガンの響きを聴けるのかはわかりませんが、私が訪れた時は聴けました。

音がすごく柔らかい。なんて美しいの…

このパイプオルガンは二代目。2004年にイタリア製のものを新しく設置し、教会のパイプオルガンの中では日本最大のものです。

イタリアマショーニ製のマショーニ・オルガン Op.1165です。

オルガンの3000本のパイプ一つ一つ全部、人の手で作られているそうです。

オルガン設置した当時のスケジュールが記載されているページがありました↓

新パイプオルガン計画 ~スケジュール~

調律(オルガンは調音?)はどうするんだろう?と気になったのですが、メンテナンスは河合楽器が行っているんですね。

マショーニ製のオルガンを置くにあたって、大聖堂の3Fを改築も必要だったのこと。

響きに一切濁りがなく、一音一音の残音がとても綺麗に残ります。

東京カテドラル聖マリア大聖堂の天井は非常に高いので、パイプオルガンと天井の距離を大きくとれ、音の響きが違うのでは?というのが、ぶら美に出演されていた天本神父の話しでした。

パイプオルガンの国ごとの違いをざっくり書いてあるページがあり、それによると

16世紀イタリアでは、柔らかい人間の声のような音色が好まれた
17世紀~18世紀のドイツでは、しっかりした低音と荘厳な響きのオルガンが多く作られ、巨大化も進んだ。
19世紀のフランスでは、オルガン1台で交響曲が演奏できるような、多彩で華やかな音が鳴るオルガンが作られた。

参照:https://www.nhk.or.jp/lalala/archive151128.html

とのこと。この3つで比べると、東京カテドラル聖マリア大聖堂のパイプオルガンの音色は確かに1のイメージです。

③【聖遺物】など

ここまで長くなってしまったのであとは簡潔に…..

すごい品々が展示されていました。

ピエタ

バチカンのサン・ピエトロ大聖堂にあるミケランジェロのピエタの複製。

1973年にイタリアから寄贈されたもの。

バチカンのピエタは遠くからしか見えない。超間近で見られるのはここだけらしいです。

東方三博士の聖遺物

西洋絵画でイエス誕生シーンによく登場する東方三博士。占星術の学者たちで、救世主として生まれたイエスを礼拝しにはるばる東方からやってきた三人の賢者(メルキオール、バルタザール、カスパール)の聖遺物が、カテドラル教会にはあります。ドイツのケルン教区から有効の証として譲り受けたものです。

聖遺物=遺骨のイメージが一般的にありますが、衣服や持ち物の一部を指す事もありこの聖遺物が具体的にどれにあたるのかは不明。

クリスマスマーケットでも有名なケルン大聖堂は、三博士の聖遺物が入った棺があるそうです。

さらっと飾られているのですが、新約聖書に登場する東方三博士の聖遺物ってすごすぎじゃないですか???

聖フランシスコ・ザビエルの胸像

こちらもケルンから譲り受けたもの。

胸のところにかけらがあり、ザビエルの遺骨が入っています。

ザビエルの胸像を所有していた人が、ルイ13世の母マリー・ド・メディシス。息子との権力闘争に敗れフランスを追われ、ケルンで亡くなるのですが、ケルン大聖堂にこの胸像を寄進したそうです。

これもさらっと展示されているのですが、ザビエルはもちろんルイ13世とかマリー・ド・メディシスとかすごくないですか??

ルイ13世の時代は、三銃士でおなじみのリシュリュー枢機卿が権力を持っていて、ルイ13世の長子は太陽王となるルイ14世。

これだけで、ワクワクが止まらなくなる~

敷地内にはルルドの洞窟を再現したものもありました。

ルルドの泉は病をいやす奇跡の泉。フランスの巡礼地です。現地と同じサイズで作られているそうです。

東京カテドラル聖マリア大聖堂のイベント

ミサやコンサート

イベントも定期的に行われており、誰でも参加できるミサもありました。

コンサート等のスケジュール

最新スケジュール

クリスマスミサ

結婚式も可能

結婚式も挙げられます。
結婚式について

基本的に誰でも挙式が可能で、信者じゃなくてもOK.

ただし原則として2人が初婚であることが条件です。「原則」なのでもしかしたら例外もあるのかな?

また、カトリック教会の結婚講座を受講することも挙式条件に入っています。

結婚式申込み受付条件について

一生に一度の結婚式をこちらのカテドラル教会で挙げるのも素敵でしょうね。

目の前に椿山荘があり、カテドラル教会での挙式後、披露宴をホテル椿山荘東京で行う人も多いそうです。

アクセス

ホテル椿山荘の近く。道路を挟んですぐの場所にあります。

住所:〒112-0014 東京都文京区関口3-16-15

最寄り駅
電車
有楽町線「江戸川橋駅」(出口1a)より徒歩15分
東京メトロ 東西線「早稲田駅」3a出口より徒歩20分

バス
JR山手線「目白駅」から来る場合
都営バス 白61系統 “新宿駅西口行き”「ホテル椿山荘東京前」下車徒歩1分

JR山手線「新宿駅」から来る場合
都営バス 白61系統 “練馬車庫前行き”「ホテル椿山荘東京前」下車徒歩1分

公式ホームページ

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